トップページ > 今月のいいひと > 伊藤紀子さん(2017年10月)  

ここから本文です

伊藤紀子さん(2017年10月)

伊藤 紀子 (いとう のりこ)さん

 国道16号相模原署前交差点四隅16か所の花壇には、いつも彩り豊かな花が咲き、行き交う人たち

の心を和ましてくれます。花植えや水やり、除草などを行っているのは「F・Cボランティア」。日々の活動

は、ボランティアのスタッフを中心に、就職に向けて自立支援相談窓口等から支援を受けている方々と

ともに行っています。

 

 

「F・Cボランティア」を立ち上げたきっかけを教えてください

自宅に近いこともあり毎日のように警察署前交差点を通るのですが、交差点四隅の植栽帯の手入れがされていないことが気がかりでした。市役所の玄関口で市民桜まつりのスタート地点でもある交差点周辺をきれいにしたいと思い、地元の自治会や民生委員・児童委員、ボランティアグループ、そして中央小学校のフラワー委員会の皆さんと一緒に除草、清掃活動を始めました。その後、継続して活動するグループとして「F・Cボランティア」を立ち上げました。

「F・Cボランティア」の活動内容は

 
 
 
 

警察署前交差点の植栽帯や花壇の花が一年中咲き誇り、潤いある交差点になることを目指して活動しています。土づくりからはじまり、花苗植え、球根植え、水やり、除草など年間を通じてさまざまな作業をしています。

また、市役所前さくら通りの除草、落葉掃き、清掃活動も行っています。「また来年桜が満開となりますように」との思いを込めて、桜が散った後の花びら掃きや秋から冬にかけて落葉掃きをしています。

会の名前の「F・Cボランティア」のFは、フラワーのF、Cは清掃活動のイメージのクリーンのCから付けたものなんですよ。

 

活動にはどのような方たちが参加されているのですか

地元の中央中学校の生徒さん、中高生ボランティアチャレンジスクール受講生、専門学校生、企業の社会貢献活動など、今までにたくさんの方たちが参加してくれました。立場や年代を問わずさまざまな方たちと一緒に汗をかきながら活動できることをうれしく思います。

平成18年からは相模原市の自立支援相談窓口で支援を受けている方の受入れもしています。

自立支援相談窓口は、相模原市が「生活としごとの応援」をする相談窓口で、ボランティア活動や地域活動を通じて就労に向けた経験を育む「就労準備支援事業」も実施しています。「F・Cボランティア」は、相談窓口で支援を受けている方々のボランティア活動先の一つになっています。

私たちの活動は、草花や水や土に触れながら自分のペースで作業ができること、一連の作業を通じて達成感を得られやすいこと、花の成長や道行く人々からの温かい声掛けに喜びを体感できることもあり、「他の人とのコミュニケーションがうまくとれない」、「社会との関わりに不安がある」、「なかなか自信が持てない」などの事情がある方にとって参加しやすい活動なのかもしれません。今までに就職につながった方もいらっしゃいます。

また、行政の他の窓口からの紹介で社会参加等の支援プログラムとして参加される方もいます。

「まずは集合時間に遅れずに参加することを目標にしたい」、「今日うまく作業できなかったことは、次回頑張りたい」など一人ひとりの前向きな姿をみて「協力」というよりは「応援」をしていきたいと思っています。

ただ、活動に参加する方たちのことは、暑さ、寒さを感じながら目の前の花を世話する「仲間」と思っていますし、一人ひとりの力が集まり大きな力となるので、就労訓練の場を提供しているというよりは、一緒に活動してくれてありがとうという気持ちが大きいです。

 

今後に向けて

これまで、警察署をはじめ、近隣の企業などからのご協力がありました。花苗や備品の購入費用に、市の地域活性化事業交付金や市社協の「みらいチャレンジプログラム応援事業」なども活用させていただきました。このようにさまざまな方々からの応援をいただいてきた活動なので、これからも多くの市民にとっての「居場所」のような活動になればと願っています。今後は、不登校のお子さんたちにも参加してもらえるよう、関係者の方々との相談も進めていきたいと考えています。

誰もが「参加してみたい」、「また次回参加しよう」と思えるような雰囲気づくりに心掛け、これからも続けていきたいと思います。

インタビューを終えて

伊藤さんのお話しをお聞きして、きれいに手入れされている植栽や花壇に咲いている花には、たくさんの方たちのさまざまな思いが込められ、育てられているのだと感じました。そして、活動に対する熱い思いが伝わってきました。

 

 

 

 


 

「今月のいいひと」一覧へ

お問い合わせはこちら