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山本 玲子さん(2010年11月)

山本 玲子(やまもと れいこ)さん
昭和28年、緑区三井(旧津久井町)生まれ
要約筆記サークル「うぐいす」での活動をきっかけに、現在では子育てサロン「みいっ子クラブ」代表を務める傍ら、障害者支援を目的と
する「サークルいきいき」に所属、市主催の閉じこもり予防教室「り・はびりす」など、様々なボランティア活動をされています。

 

地域のみんなが元気でいられる そんな地域を

ボランティア活動を始められたきっかけは

合併前の津久井町社協時代に非常勤ヘルパーを9年間やっていました。今のボランティア活動の原点は全てヘルパー活動でのお付き合いが関係しているように思います。
要約筆記の講習を受講したのも、ヘルパーをやっている時に社協の広報紙を見て参加したのが始まりでした。
最初は「要約筆記」が何なのかさえ分からず始めました。「要約」っていうぐらいだから、話をまとめる「こつ」でも教えてもらえるのかな、なんて気楽に考えていましたが、講座の内容が本格的なのに驚きました。
それがボランティア活動を始めるきっかけでした。

要約筆記サークル「うぐいす」はどのような活動をされているのですか?

講座の受講生が中心となって平成15年に要約筆記サークル「うぐいす」を設立しました。
当時は講演会等で講師が話す内容をすべて手書きで書いていましたが、最近では手書きだけでなくパソコンでの要約筆記が当たり前になりました。パソコンを使いこなせるようになるまで、メンバーみんなで大変苦労しています。
主な活動は、地域包括支援センター主催の介護予防講座やお年寄りの仲間づくりの場として行っている「やすらぎステーション」の中での講習会等で要約筆記を行っています。

その他の活動についてもお聞かせください。

(今は亡き)父が脳梗塞で倒れ、闘病生活を送るようになった時、父の介護に専念したいと思い、ヘルパーを辞めました。
ヘルパーをしていた時に感じたのですが、近所の関わりってすごく大事だなって思ったのです。
というのも、当時は介護保険の利用者が急増し、介護予防に力を入れ始めた時期だったのですが、ヘルパーをしていた時に、ケアマネジャーや看護師の方から「あの人は運動が必要だから運動をするように促してね。」なんてことをよく言われていました。でもそうゆうのも近所の関わりがあれば、ヘルパーが来なくても身近な地域でそのぐらいのことはできるのにと感じていました。それで、ヘルパーを辞めた時に近所の人達を誘って神社の境内でラジオ体操を始めました。
私がラジカセを持参して、10人ぐらいで毎朝9時からやっています。だから私の生活は9時を過ぎてからじゃないと始まらないのです(笑)。
みんな10分前ぐらいに集まって少しおしゃべりして、9時から10分間ぐらい体操をして、終わったらそれぞれ帰って行く、そんな感じでやっています。
お年寄り同士がその中で結構仲良しになり、情報がいろいろ伝わっていくんですね。「今度『やすらぎステーション』に出る?」とか「敬老会の旅行はどこに行くんだってよ。」とかそんな話をしています。
自分の中ではこれを「元気なセルフデイサービス」って呼んでやっています。

みいっ子クラブの立ち上げの経緯について教えてください。

私は生まれも育ちもずっと三井ですけど、私たちが子育てをしていた30年前は朝10時ぐらいになるとお母さんたちが家から出てきて近所の公園で子どもを遊ばせていました。それが普通でしたが、最近は遊ぶ姿がありません。子どもが少ないことや、お父さんの仕事が朝早いとか夜遅いとか、生活の時間帯が様々ですよね。
さらにインターネットなど情報伝達手段も発達し、車があれば少し離れた友達の所にも行けます。近所と交わらなくても自分が遊びたい人と遊ぶことができます。そうすると近所同士のつながりが全然なくなってしまいます。幼稚園も今は選べるので、近所でも違う幼稚園に通わせるなんてことがあります。そうすると余計地域のつながりがなくなってしまう。だからもし「みいっ子クラブ」みたいに小さい時にお母さん同士の集まりがあれば、もうちょっと結びつきが深まるのではないかな、そんな思いで立ち上げました。
毎月第2・第4金曜日に開催していて、親子6組ぐらいが参加してくれています。
どこかに赤ちゃんが生まれないかなと常にアンテナを張っています(笑)。
理想を言えば、毎日開催して、いつ来ても誰かがいるというような、気軽に参加できる場になればいいなと思っています。

うれしかったことや印象に残っているエピソードはありますか?

みいっ子クラブを立ち上げたときに、三井に引っ越して来て一週間目という人が参加してくれたことがうれしかったです。
若いお母さんなのに偉いなと思ったんですけど、横浜から引っ越して来てすぐ自治会に入ってくれたらしいんです。それで自治会の班長さんにあいさつに行ったら、班長さんがみいっ子クラブを紹介してくれて参加してくれたのです。「横浜にいたときは隣との付き合いがなかったけど、三井に引っ越して来たらこういう交流の場があってうれしい。」って言ってもらえて、みいっ子クラブを立ち上げて良かったと思いました。
(同じ子育て中の)うちのお嫁さんなんかともメールアドレスを交換しているのを見て、大成功だなって喜んでいます。

お忙しい中でボランティア活動を続ける秘訣は何ですか?

自分一人でやったらラジオ体操も続かない。みんなとやっているから続いている。そして参加してくれて喜んでくれる人がいるから継続できる。本当に人と人とのつながりですよね。
私のボランティアの信念は「地域」なんですよ。自分の身近なところでやるのが私のボランティアです。ボランティアは自分も満足できないと続かない。義務感や自分を犠牲にしてまではやれない。
自分がしたくて、自分がやっていて楽しくて、相手が少しでも喜んでもらえればいいかなと思っています。

今後の抱負をお聞かせください。

私の理想はラジオ体操をやった後に、そのままの流れで自治会館に集まって、時間があるお年寄りは「かるた」をするなり「囲碁・将棋」をする、そんな場が出来ればいいなと思っています。そこに「みいっ子クラブ」も加わって一緒に時間を過ごせたらいいなと思います。
こういうコミュニティができれば、みんなが元気でいられる。ヘルパーとかが手をかけなくても地域で何か手伝える、気が回せる、そんな地域にしていければいいですね。
また、子育て支援ってやっぱりしなきゃいけないなと思っています。若いお母さんをこうやって地域で守れることは守ってあげなきゃいけないなと思っています。幼児虐待とかのニュースを聞いていると胸が苦しいですものね。


インタビューを終えて

地域で共に支えあい・育て合う、そんな地域が理想です、とおっしゃる山本さん。
少子高齢化社会だから求められる小地域でのつながりを、楽しそうに実践されている姿がとても印象的です。

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