やすらぎ一座のみなさん
やすらぎ一座は、津久井地区を中心に高齢者のつどい事業や福祉施設などでお芝居を披露しているボランティア劇団です。
平成12年、中野地区社会福祉協議会(現津久井地区社会福祉協議会中野支部)主催事業の実行委員を中心に発足し、芝居と歌声でお年寄りから笑顔を引き出します。今回は座長兼脚本担当で中野支部の支部長でもある佐藤園子さんにお話を伺いました。(※写真左端が代表の佐藤さん)
「やすらぎ一座」を立ち上げられたきっかけを教えてください。
中野地区社会福祉協議会(現津久井地区社会福祉協議会中野支部)主催の「高齢者文化交流のつどい」で役員や実行委員が歌などを披露する手作りの演芸大会を行っていました。
しかし、毎年やっているとマンネリ化してきて「おもしろくない」という声が聞かれるようになりました。
どうにかお客さんを飽きさせない方法はないかと実行委員のメンバーで歌と歌の合間に場つなぎとして15分程度のコントをやりました。これが非常に“うけ”がよく、これをきっかけに平成12年に役員・実行委員を中心に「やすらぎ一座」を立ち上げました。
一座の名前の由来を教えてください。
津久井には地区社協の下部組織として9つの支部があります。各支部では月1回程度、高齢者の仲間づくりや介護予防を目的とした「やすらぎステーション」という事業を行っています。
一座立ち上げのきっかけになった「高齢者文化交流のつどい」も「やすらぎステーション」の一環として開催していたことから「やすらぎ一座」と名付けました。
やすらぎ一座のメンバーはどんな方々なのですか?
メンバーは中野支部内に在住している方限定ですが、主婦やサラリーマンなど立場は様々です。現在は12名で行っています。
ほとんどの方に演劇経験はありませんでしたが、試行錯誤しながら練習を重ね舞台経験を積み、今では長ゼリフも短期間で覚えられるようになりました。
活動内容について教えてください。
中野支部の主催事業では定期的に公演しています。それ以外にも様々な団体や病院・福祉施設、また数年前には、上溝・大野北・大野南及び東林地区社会福祉協議会などからも依頼をいただくなど、年間約10公演は行っています。
公演する上で気をつけていることはありますか?
メンバーの演技のレベルも経験とともに上達してくると、芝居のできは脚本の段階で決まります。学生時代、演劇部だった経験がある私が当初から脚本を書いてきましたが、うけが悪い時もあり苦労しました。試行錯誤するなか、あるとき自分の思いと相手の求めているものが違うことに気付き、思い切ってシンプルで、わかりやすいものに変えたことで喜ばれるようになりました。
今では、年に3作品のオリジナルストーリーを書いていますが、「笑いあり、涙あり」、誰にでもわかりやすく楽しんでいただけるものをと心掛けています。
これまでの活動の中で特に印象に残っていることや嬉しかったことは何ですか?
病院からの依頼でお芝居を披露したことがありましたが、ご覧になった方から非常に喜ばれたことがありました。
普段なかなか外出できないので、大好きなお芝居が見れて嬉しかった。また来て欲しい。とおっしゃってくださったことが非常にうれしく、印象に残っています。
また、私たちは毎回、芝居が終わった後に見てくださった方々をお見送りするのですが、皆さんの笑顔や「おもしろかったよ」の声が私たちの喜びであり、次の公演の励みにもなっています。
今後の抱負をお聞かせください。
お客さんも目が肥えてきて、最近ではどんどん期待値が上がってきているように感じています。
その期待に応えられるように、毎回思考を凝らしたお芝居で皆さんに楽しんでもらえればと思っています。
脚本から舞台セットまですべて手作りの“ステージ”。そこには、地域の方々を「楽しませたい」という思いがいっぱいつまっています。
芝居と歌でお年寄りから笑顔を引き出してくれる「やすらぎ一座」。見終わった後に心がほっこりする公演です。
ぜひ、今後もたくさんの楽しいお芝居を届けていただければと思います。