吉川 順一(よしかわ じゅんいち)さん
星が丘地区民生委員児童委員協議会会長。相模原市社会福祉協議会の権利擁護事業審査会副委員長。
定年退職を機に、自身が生まれ育った地域での民生委員を担うことになりました。「人にはあたたかくあれ」恩師の言葉を胸に、星が丘地区から「やさしさのあふれる街づくり」を発信していけるように、子育てサロンや地域のたすけあい事業など、様々な活動に取り組んでいます。
地域で活動されることになったきっかけを教えてください。
私は、星が丘地区で生まれ育ちました。若い頃から自治会役員や子ども会に参加させていただく機会もあり、地域での活動には比較的縁が多かったと思います。現役時代に自治会長を1年間関わったけれども、仕事との両立は正直大変ではありました。
一番の転機は、定年退職の時ですね。前任の民生委員さんが自宅に訪ねてきて、次期民生委員をお願いされました。顔見知りの推薦委員さんも一緒に見えていたこともあり、引き受けることにしました。
そこから現在まで民生委員としてご活躍されているのですね。
そうですね。今思えば、簡単に引き受けてしまったなとも言えるけれど、これがきっかけで地区社協さんや地区高齢者支援センター(地域包括支援センター)とも一緒に地域福祉に関わりを持つようになりましたね。
地域の活動を通して大事にしていることを教えてください。
中学生の時期でしょうか。教室の黒板上などに教訓のようなものが貼ってありますよね。そこに、「人にはあたたかくあれ」とあったのです。当時の先生から教えがあり、今でも心に残っている言葉ですね。この言葉は、福祉を大切にする言葉なのかなと思っています。その言葉を思い出しながら、更に誠意を持って活動しています。
それでは、これまでの活動についてお聞きします。本日(平成27年10月12日)は、星が丘地区の敬老会にお邪魔させていただいております。
敬老事業では、星が丘地区社協と協力して、民生委員が地区内の77歳以上の方(約1,670人)にお菓子を配布しました。
また、敬老会を3カ所で開催し、歌や踊り、落語を楽しんでいただきました。これまでは、参加者の座席をステージに対して設置していましたが、今年からスタッフで相談してテーブルを出し、参加者が向かい合わせでお茶を飲みながら鑑賞できるように工夫をしました。その結果、演目を楽しんでいただくことは勿論ですが、開会前からあちらこちらと会話が生まれ、交流に繋がったと思います。
敬老会の様子 |
他にも様々な活動を行われているようですが、特に印象に残っている活動について教えてください。
<民カフェ>
5月に開催された「市民若葉まつり」へ星が丘地区民児協として模擬店「民カフェ」を出店し、コーヒーとクッキーを販売しました。大きなイベントなので大丈夫かなと不安もありましたが、実施してみると大勢の方の協力があり大成功でした。
民カフェのきっかけは東日本大震災で被災地へ義援金を募る「星が丘地区ふれあいフェスティバル」への出店で毎年継続的に行うようになりました。今年の収益金は「情熱のピラミッド基金」(市内児童養護施設の子ども達へ高校等の進学基金)へ寄付をさせて頂きました。
<災害時たすけあい事業>
平成26年から地域活性化事業交付金を使い全ての自治会で開始しましたが、それ以前から民生委員は「災害時一人も見逃さない運動」として災害時に援助が必要な方に対する声掛けや見守りを実施していました。
しかし、震災をきっかけに、自治会と民生委員とで協議を重ねた結果、高齢者が困ったときに相談する窓口として「シルバー110番」の仕組みや、今回の「災害時たすけあい事業」に繋がりました。星が丘地区自治会連合会を事務局とすることで、援助が必要な方の情報共有や働きかけが円滑にできるようになりました。
また、自治会に入ってない方に対してもポスティングをして事業の理解に努めました。結果として、自治会、災害時たすけあい事業双方の周知理解に繋がっていると思います。
<子育てマップの作成>
印象に残っている活動は、「子育てマップ」を作り直したことですね。これまでも子育てマップはありましたが、作り直すことになり、地域の保育園にも声掛けをしたところ、検討段階からご協力をいただくことが出来ました。
保育園の方と関わりが持てたことで、子育てマップ完成後も民生委員・児童委員が中心に開催している地域の子育てサロンにご協力いただけるようになったことがとてもうれしかったですね。
シルバー110番のプレート |
今後の抱負をお聞かせください。
星が丘地区では3年前に「やさしさいっぱい星が丘」というキャッチフレーズを作りました。この言葉には、となり近所と仲よくおつきあいをして、時には助けあいながら、住みよい街にしたいという願いが込められています。
そして、子ども110番やシルバー110番、災害時たすけあい事業など様々な活動を通して、赤ちゃんから高齢者まで一人も見逃さないように、福祉活動を広げていきたいと思っています。