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浅川 雅之さん(2016年8月)

浅川雅之さん

浅川 雅之(あさかわ まさゆき)さん
一般社団法人日本理容美容ルピナスの会 代表理事
中央区相模原にある理美容室「ルピナスヘアー」。店内は一般の方や障がいのある方、お年寄りでも来店しやすいよう様々な工夫がなされています。また、お店ではスタッフとして2人の聴覚障がいのある若者も働いています。
「ルピナスヘアー」代表の浅川雅之さんにその思いを伺いました。

 

美容の道に進んだきっかけは何ですか。

小さい時に高熱を出し、一時的に聴覚に障がいがあった時期がありました。そのため小学校は難聴学級に通学していました。その後、手術で聴力はある程度回復しましたが、当時はまだ世間の理解も少なく、障がいを隠すことが多かったですね。
難聴学級の先生からはその時に手に職をつける、技術を持つことの大切さについて教えられ、それがとても印象に残っていました。
美容の勉強を始めたのは高校卒業後、19歳の時です。ストリートパフォーマンスで髪を切る方を偶然見かけて、自分の発想でつくりあげることの新鮮さを感じたことがきっかけです。その後ヘアカラーの勉強をするためにフランスへ行き、帰国後に自分のお店を持ちました。

現在の様な取り組みを始めるきっかけは何ですか。

ある時、ろう学校※で理容、美容科があっても卒業後の就職先に困る人や、就職しても聴覚障がいのため、お客様とコミュニケーションが取ることが難しく、苦労されている人が多いことを知りました。そこで、「障がい者の働く場をつくりたい。技術を磨いて夢を持って仕事をしてほしい」と思い、ルピナスヘアーを立ち上げました。
障がい者施設の利用者を対象とした理容ボランティアを行っていた経験もありました。彼らにカットモデルになってもらった際に、とても喜んだ姿を目の当たりにしました。オシャレをすることの大切さに気づいてくれたことが嬉しかったです。
そのような経験から「一般のお客様はもちろん、障がいがある方や、高齢の方も、すべての人にオシャレを楽しんでもらいたい」と思いました。
ルピナスヘアーでは段差をなくしたり、手すり付きの広いトイレなど、車いすの方でも安心して利用できる、バリアフリーになっています。また、障がいの特性などで他のお客様の目が気になるような方のために、客席ごとに仕切りを作るなど、工夫をしています。その他にも訪問理美容や、送迎サービスなども実施しており、すべてのお客様に利用しやすいお店を目指しています。
※ろう学校
 聴覚がいの子どもを対象にした幼稚部から高等部までの学校

今後の抱負をお聞かせください。

聴覚障がいのあるスタッフは筆談ボードや、iPadの音声を文字に変換するアプリなどで、お客様とコミュニケーションをとり、他のスタッフもサポートを行っています。障がいがあると限られた仕事にしか就けないと見られがちです。しかし、工夫次第で障がいのある人の働きやすい職場作りや、クオリティーの高い技術を身につけるともできると思います。お客様に喜ばれ愛されるために可能性を伸ばしたいと考えています。
将来は彼ら自身が自立して自分のお店を持てるように支援していきたいですね。また、外に出ることが難しいお客様のために、訪問理美容や、自宅からお店までの送迎サービスなど充実させ、地域社会に貢献していきたいと思います。

ルピナスへアーの皆さん
ルピナスヘアーの皆さん

インタビューを終えて

ご自身の経験から、障がいがあっても、自分のやりたい職業に就くことを応援している浅川さんから熱い想いを聴かせていただきました。働く障がいのある方に夢を与え、どんな方も安心して利用できる素敵なお店、「ルピナスヘアー(相模原市中央区相模原6-25-4)」を是非ご利用ください。
詳細はホームページをご覧ください。

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