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社会福祉法人相模原市社会福祉協議会

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井上 正義さん(2010年5月)

井上 正義(いのうえ まさよし)さん
市内緑区橋本在住。青森県八戸市出身。津軽三味線、津軽南部民謡の演奏活動を行う『青森県南部会』相模原地域の代表。平成18年よりボランティアセンターいるかバンクのイベント団体に登録し、市内の高齢者施設で津軽三味線の演奏を通じて高齢者との交流に積極的に取り組み、活躍されています。

 

津軽三味線を通じてボランティア活動を始めようとしたきっかけは?

青森に住んでいた学生時代、青森県出身の津軽民謡歌手の三味線伴奏をしていました。現在もその方が主催する教室に月に2回位通い、民謡の伴奏を行っています。
7年前、母が亡くなった時、世の中に貢献したい気持ちが高まり、地元青森の津軽三味線を通じて、高齢者との交流をしたいと思ったことがきっかけです。

青森県南部会の活動について教えてください。

青森県出身の津軽民謡、津軽三味線を演奏するグループで、本部は横浜にあります。プロで活動する民謡歌手も参加して、本格的な津軽民謡の演奏活動を行っています。相模原市内の会員は7名で、通常津軽民謡歌唱担当1~2名と一緒に日程を合わせ、市内の高齢者施設でボランティア活動を行っています。

~ねぶた絵をバックに 『ケアハウス
実の里』で三味線を披露する井上さん~

ボランティアセンターに依頼のある施設から、「また来てもらいたい。」と、とても好評ですが、何か工夫していることはありますか?

縦2m×横4mの津軽のねぶた絵師が描いた「ねぶた絵」をバックに演奏します。これは、我々の活動を知った青森のねぶた絵師が送ってくれたものです。この絵を飾るために必ず事前に打合せと会場の下見を行い、小規模の狭い施設は飾るスペースを確保できるよう協力をしてもらっています。迫力があって、お年寄りからとても喜ばれています。
また、通常津軽三味線の演奏の時は羽織袴で出演しますが、ボランティア活動の時は、Tシャツなどラフなスタイルを心がけ、親しみやすい雰囲気を作っています。

毎年定期的に活動している施設はどれくらいありますか?

市内の高齢者施設は、15箇所位で例年演奏を依頼されています。外出できないお年寄りに三味線を聞かせたい一心で、依頼があったところは予定が重ならない限り全てお受けしています。メンバーと予定が合わない時は、「ねぶた絵」を車に乗せ、1人で伺うこともあります。

ボランティア活動中のエピソードなどお聞かせください。

必ず演奏が終わった後に皆さんと一緒にお茶を飲みながら話をします。演奏を聴いて、若かりし頃踊りをしていたことを想い出し一生懸命話かけてくださるお年寄りがいて、私自身が感動して涙を流しながら帰ったことがありました。演奏することが目的ではなく、このふれあいが一番の喜びです。お年寄りが現在の日本を支えてくれたという感謝の気持ちでボランティア活動を続けています。
また、初めて高齢者施設を訪問した時、20歳代の若いケアワーカーさんが高齢者の介護をする姿を見て、「すごい!」と心打たれました。自分が若い頃は高齢者の面倒を看ることなど考えもしませんでしたので、若いケアワーカーさんからの依頼を受けると、出来るだけ応えたいと思います。

今後の抱負をお聞かせください。

外出できない高齢者を楽しませるために、これからも活動の場を広げていきたいと思います。
また高齢者だけではなく、地域の方たちにも津軽三味線の良さを知っていただきたいので、お祭りなどイベントの際には声をかけてください。
青森県と津軽三味線、津軽民謡が大好きです。お年寄りに喜んでもらい、相模原の皆さんに是非その良さを知ってもらうため、これからもボランティア活動を続けていきます。


<インタビューを終えて>

同じ施設から繰り返しボランティア活動の依頼がある青森県南部会。お年寄りとのふれあいを大切にしている井上さんのお人柄ゆえだということがお話を伺い分かりました。
お年寄りからも若いケアワーカーさんからもパワーをもらっていることが、エネルギッシュに活動を続ける井上さんの原動力なのでしょう。
お話を伺った後、三味線を奏でていただきました。三味線の音色から井上さんの熱い思いが伝わり、言葉に出来ない感動を覚えました。

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