中島久八さん(2011年4月)
中島久八さん
宮城県生まれ。大島に在住して30余年。男性ボランティアや給食サービス配食協力員として活躍中。
退職前は、長く染色関係の仕事に携わり、“無地染め”と呼ばれる技術を駆使し、有名ブランドのデザイナーからもスカーフ等の制作依頼を受けていたそうです。自分が作った製品を手にする人に、おしゃれをする喜びや幸せを感じてもらうことをやりがいに仕事をしてきた中島さん。休日に仕事仲間とデパートに行った際も陳列してあるスカーフやスカートが気にかかり、商品の染色技術の品評会に…。売り場の店員さんから「もう勘弁してください!」と出入り禁止になったこともあるほどの根っからの染色職人だったそうです。
~染色職人からボランティア職人へ~
退職後自由な時間ができた中島さん。ある日所属していた年金者組合の会長から「大沢男性ボランティアの会」(男ボラ)を紹介されたことが、染物一筋40年の中島さんがボランティアに活躍の場を移す転機になりました。
ボランティアを始めたときの心境はどのようなものでしたか。
第二の人生を楽しもうと思いました。ずっと家にいても仕方ないですし、元気なうちに外へ出たいですから。これから年金をもらうのだから、その分地域に何か貢献できないかと感じたんです。
男性ボランティア活動について教えてください。
男性17名でボランティア活動をしています。交差点に花を植えたり、老人ホームの運動会のお手伝いをしたりと活動の内容は様々です。とにかく皆に喜ばれることをやりたいですね。活動中に「ありがとう」と声をかけられるとエネルギーが沸いてきます。
特に印象に残った活動はありますか。
正月に地元の大沢小学校の子供たちと将棋大会をしたことですかね。男ボラからは将棋の得意なメンバーが4名参加しました。後日、通学路で大会に参加した小学生から「“将棋のじいちゃん”また勝負しようね!」と声をかけられたことが本当に嬉しかったです。よし、またいっちょやるか!ってね。
そんな中、大沢地区のある高齢者から相模原市が行っている“ふれあい給食サービス”の利用申込みがありました。給食サービスは地域の配食協力員が徒歩や自転車で高齢者のお宅に届けるのですが、申込のあった方は長い急坂を下ったところにあるお宅。そんな立地条件ゆえになかなか配食協力員が見つからなかったのですが、快く引き受けてくださったのが中島さんだったのです。
~大切な仲間の輪~
給食サービスの配食活動について教えてください。
週4回、坂の下の利用者に配食しています。さすがに女性にはこの坂道はきついと思いましたよ。自分でも不安でした。でも最初からダメだと思わずにとにかくやってみようと。ふれあい給食は単純な配達と違うので、なによりも利用者との会話が大事です。だから普段街を歩いていても、ニュースを見ても、これは話のネタになるなぁって情報を集めています。
活動を継続していく力になるものは何ですか。
とにかく利用者のことを考えて一生懸命配食しています。「ご苦労様、気をつけて帰ってね」という言葉をおみやげに坂を上って帰ります。こうして給食をお届けすることが、日々の生活の欠かせない一部、リズムの一つになっています。給食がないと一日が終わった気がしませんよ(笑)
たとえ急用ができたり、体調を崩してお休みすることになっても、男ボラの仲間がいます。「困ったときは俺がやるから大丈夫」と言ってもらえるので安心です。仲間がいるから、自分に何があっても頑張れるんです。
~人生は長い散歩道~
将来の夢、やりたいことはありますか。
夢ですか。夢というよりボランティア活動も含めて、今の生活を少しでも長く続けていくことが一番の願いですかね。それには健康であることにも感謝したいですね。しいて言うなら、男ボラの活動を次の世代につなげていきたいです。一時ではなく続けていくことに意味があるのだから。とにかく皆に喜んでもらえるように、自分だけではなく誰かにプラスになるようにね。
最後に、同世代の男性へメッセージはありますか。
家に閉じこもらず外へ出てみてください。からだとこころの健康のために誰かと交流しましょう。奥さんの顔だけ眺めていてもしょうがないですよ(笑)一歩外に出れば人それぞれ違う喜びが待っているはずです。私は散歩も好きですが、同じ道は歩かないようにしています。常に新しい道を歩くようにしています。そこには新しい発見があります。殻にこもらず外の世界へ歩み出してみてはいかがでしょうか。
「自分だけではなく仲間も入れてくださいね…」
集合写真を撮るときでさえ仲間のことを考える中島さんでした。
・大沢地区男性ボランティア
⇒http://www.sagamiharashishakyo.or.jp/home/h06/vcgroup/v00152.html
・男ボラの活動の様子
⇒http://www.sagamiharashishakyo.or.jp/chikushakyo/osawa/2010-0203-1011.pdf
・ふれあい給食サービス
⇒http://www.sagamiharashishakyo.or.jp/service/kyushoku.html
・配食協力員募集⇒PDFファイル(92KB)