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社会福祉法人相模原市社会福祉協議会

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相模原やまびこ会の皆さん(2016年10月)

相模原やまびこ会

相模原やまびこ会(さがみはらやまびこかい)の皆さん
相模原市自閉症児・者親の会「相模原やまびこ会」は、自閉症の方々の福祉向上を目的に、30余年にわたり活動を続けています。様々な活動に取り組むなかで力を入れているのが、障がい者の方々が作られた絵画や手工芸品などを披露する作品展です。市民への障がい理解にも大事な役割を果たしている作品展の意義などを中心に、会の取組を会長の清水美代子さん、前会長の鈴木秀美さんに語っていただきました。

 

相模原やまびこ会はどのような会ですか。

今から33年前、昭和58年に当時の知的障がい児・者の親の集まりである「手をつなぐ親の会」(現「一般社団法人相模原市手をつなぐ育成会」)から自閉症の子どもたちを育てている親たちが独立する形で結成されました。現在、会員は85家族で、障がい児・者の年齢で言うと4~5歳の幼児から50歳以上の人まで幅広く、自閉症やそれに類似する症状の子どもを持つ親が集い、子ども達がよりよく暮らせるよう、社会の理解と協力を得るための活動を行っています。

具体的にはどのような活動をしているのですか。

年間を通じての大きな取組は三つあります。一つは、障がいについて市民の方々に理解していただくための講演」です。自閉症の特性や行動等について分かりやすく伝えています。二つ目は、子どもたちがのびのびと過ごせるサマーキャンプ。そして三つ目が、自閉症の彼らが作った絵画や手工芸品を展示する作品展です。子どもたち自身の表現の場であると同時に、市民の方々への自閉症理解の場としての取組となっています。

「作ひん展」の様子1

作品展の意義を教えてください。

自閉症児・者の作品展は、横浜市と川崎市を除く県内の11市町村の自閉症児・者親の会連合会(通称「県連」)が主催となり、各地区で開催されています。
言葉での表現やコミュニケーションが苦手な人が多くいるなかで、作品展は、絵や文章、手工芸品など手作りの作品を通しての自閉症児・者にとっての自己表現の機会となります。一口に絵といっても、絵の具や色鉛筆で描く人だけでなく、パソコンで描く人もおり、本当に多種多様な作品が展示されます。毎年40人~50人からの出品があります。鑑賞に訪れる方も600人近くいらっしゃいます。
毎年の作品展に合わせて、新しい作品を作ることを目標に頑張っている人もいます。3年間続けて藍染の作品を出品している人の親からは、「継続して同じ題材で作品を創ると、毎年少しずつ成長を見ることができて、親としても喜びを感じる」と言われたこともあります。
作品作りの講座を事前に開催するなど、なるべく多くの人に出品してもらえるような取組も行っています。
昨年の作品展を鑑賞された方のアンケートに「斬新な物の見方、表現に感心した」、「作品を通じて自閉症児・者について新たに気づかされた」といった声がありました。作品展は、市民の方たちにも自閉症を知ってもらうきっかけになっています。

「作ひん展」の様子2

自閉症への理解を育むために大切なことは何でしょうか。

まず障がいに対する正しい理解を深めて欲しいと思います。今は、脳の機能障がいが原因であると理解されていますが、以前は、親のしつけが悪いから「言うことをきかない。我儘な子になった」と言われた時代もありました。
現在でも自閉症児の行動は周囲に十分に理解されているとは言えません。例えば、電車の中でパニックを起こしていたり、奇異な行動に遭遇したとしても、自閉症ゆえの行動の一つだと受け止めてもらえる。そんな小さなことが実はとても大切です。
若い親の中には、子どもが尋常でない大泣きをしているのを「虐待していると誤解をされていないか」と、とても不安に思う人もいます。広い視野で温かく見守ってもらえるだけで、本人はもちろん親の負担も軽くなります。
また軽度の発達障がいの人は、障がいとはとらえられずに、「何か変わっている人」と思われて、辛い生活を送っている場合もあります。周囲の理解と環境の整備があれば、就学したり就労したりと人生の幅も広くなると思います。
また市民の理解はもちろんですが、学校教育の中でも学年が上がる際に、子ども個々に対する支援計画がきちんと引き継がれること、更に卒業後の社会人となってからの生涯を通じた支援体制が作られることも重要だと考えています。

今後の「相模原やまびこ会」の活動は。

自閉症児を育てている家族にとって、以前は「相模原やまびこ会」に入会しなければ、障がい児の子育てに必要な情報を得られない時期もありましたが、今はインターネット等で簡単に情報を得られるようになりました。けれど会合に参加して、親同士が顔を合わせて意見を交わすことで、子どもの成長過程での課題や関わり方についての生の声を聴き、思いや悩みを共有することができる、それが会が存在する意義だと思っています。
現在の85家族という会員数は、決して多くはないと思っていますので、夏のキャンプや運動会、そして作品展といった行事へのお誘いを通じて、会の紹介と参加の機会を提供するよう心掛けています。そんな取組の結果、家族の方から問い合わせをいただくこともあります。入会に至らなくても、家族それぞれにタイミングがあるものと承知していますので、地道に会のPRを続けていきたいと考えています。


今年の「作ひん展」のお知らせ
 ≪第9回 相模原市自閉症児・者作ひん展≫
日時:平成28年11月18日(金)~20日(日) 午前10時~午後7時
初日18日は午後1時から、最終日20日は午後3時まで
場所:おださがプラザ ラクアル・オダサガ4階(南区南台3-20-1)
小田急相模原駅 北口か下車徒歩1分)
入場無料です。皆様のご来場をお待ちしています。
問い合わせ:相模原やまびこ会ホームページ

「作ひん展」ポスター
「作ひん展」ポスター

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