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白濱 豊子さん(2009年9月)

白濱 豊子 (しらはま とよこ)さん
昭和11年山口県下関市生まれ。
昭和50年、相模原に転入。当事まだ普及していなかったボランティアに興味を持ったことをきっかけに、昭和52年、相模原市社協ボランティアセンターの前進である善意銀行でボランティア活動を開始。昭和54年、ハンディキャブ相模原市民の会、昭和56年、相模原ボランティア協会の設立に携わり、現在、「切手グループ」、「失語症友の会」の活動を支援しながら、相模原ボランティア協会の事務局で活躍しています。

 

~ボランティアの原点は~

ボランティアをはじめたきっかけは?

夫の仕事の転勤により、15年間に8回転居しました。昭和50年に子どもの高校進学のため、相模原に永住を決意し、「自分も何かしたい」という思いがありました。ちょうどその時、当時まだ耳慣れない「ボランティア」に関心を持ち、昭和52年に善意銀行(現在のボランティアセンター)に登録して、ボランティアを始めたのがきっかけです。

相模原ボランティア協会での取り組みを教えてください。

昭和54年に、ハンディキャブ相模原市民の会が設立し、テレビ局主催の募金活動でリフト付き自動車ハンディキャブ号の寄贈を受け、運行のお手伝いを始めました。それが後に相模原ボランティア協会の中心となったわけです。その当時から現在まで事務局委員、相談員として活動しています。今までのボランティア活動の経験を生かした相談ができてやりがいがあり、楽しい活動をしています。

印象に残るボランティア活動は?

昭和54年から26年間相模原警察署の少年補導員の活動をしました。校内暴力で中学校が荒れている時代、先生に反抗し、学校と対立する中学生と向き合ってきました。
お母さんから子どもとどのように接したらよいかとよく聞かれました。「子どもが補導された。」と夜中に電話が入り、警察署に一緒に駆けつけたこともありました。でも面接をするとみんな素直でやさしい子ばかりでした。その当時の子供たちが大人になった今でもお付き合いが続いている人もいます。

傾聴と受容が大切

相手をとがめないで、話しを聴いて、分かってあげることが大切ですね。「傾聴ボランティア」が普及する前から、相模原ボランティア協会で精神障害の方の相談を時間をかけてじっくり聴いてあげるようにしていました。10年たった今でも相談に来てくれることがありますよ。

~技術がなくてもできる社会貢献を~

その他のボランティア活動を教えてください。

技術がなくても何かできることはないかと考え、昭和61年に有志13人で「切手グループ」を始めました。使用済み切手を収集して買い取ってもらった資金を相模原ボランティア協会が運営するハンディキャブ号の運行費のために寄付をしています。現在は8人で活動しています。これは活動するのにちょうど良い人数で、困った時にも助けあえる気心の知れた仲間同士です。

失語症友の会打合せ風景

「失語症友の会」の活動にも参加

脳の障害等により言葉が出にくい失語症の方の支援を昭和62年に始めました。現在は会の運営を当事者やご家族と一緒に手伝っています。
失語症の方は一生懸命話そうとするけれど、なかなか言葉が出ませんが、じっくり待つこと、そしてこちらもゆっくり対応していると言葉が出やすくなります。失語症友の会に参加することで普通に話すことができるようになった人もいます。

「失語症友の会」の取り組みは

ボランティアで長い間活動を続けてきて、もっとボランティアが必要と思い、失語症について知ってもらうために相模原ボランティア協会のボランティア養成講座が行われるようになりました。また、現在市内の病院のST(言語聴覚士)が交代で指導してくださり、失語症友の会で本格的な訓練が受けられるようになりました。
最近では「失語症会話パートナー」の取り組みが全国的に始まっていて、相模原市内でも養成講座を計画しています。そのためには、まず失語症を市民に知ってももらうことから始めたいと考えています。

~ボランティア活動の秘訣~

最後にボランティア活動を長年続けてこられた秘訣を教えてください。

夫はボランティアについては何も分からない人だけど、とてもよく理解をしてくれたことですね。そして、家があじさい会館まで近かったことかしら(笑)。

 


最後まで時間をかけて相手の話を聴き、信頼関係づくりを第一に相談に取り組んでいる白濱さんです。
また、いつも新しいことに果敢に取り組む白濱さんの姿勢は常に前向きで、好奇心旺盛な性格とご夫君の愛情が若さの秘訣なのですね。
今日も相模原ボランティア協会事務局で、熱心にパソコンに取り組んでいらっしゃいます。これからも軽快な白濱節を聞かせてくださいね。

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