小池美智子さんと「桜のつどい」を運営する「こはる」の皆さん
法政大学の高齢者福祉ボランティアサークル「こはる」は、相模原市と町田市で高齢者サロンを運営しています。
その一つが、相模原市緑区の谷ヶ原自治会館で行われている高齢者サロン「桜のつどい」です。「桜のつどい」は平成15年12月に法政大学現代福祉学部のゼミの学生さんと緑区谷ヶ原在住の小池美智子(こいけ みちこ)さんとのつながりをきっかけに、毎月1回の高齢者サロンとして始まりました。現在は、「こはる」に引き継がれています。
小池さんは、昭和2年生まれで、以前から高齢者給食サービスの食事作りのボランティア活動に20年以上携わってこられました。「桜のつどい」には立上げ当初から法政大学の学生と連携し運営を行っています。
「桜のつどい」に関わる小池さん「こはる」スタッフにお話しを伺いました。
(写真)前列 小池美智子さん(緑区谷ヶ原在) 後列左から 3年生 越智さん、2年生 関さん、3年生 岸野さん(「こはる」サークル員スタッフ)
ボランティアサークル「こはる」は主にどんな活動をしていますか?
高齢者サロンの企画や運営です。「桜のつどい(相模原市緑区 谷ヶ原)」が月1回(土曜日)、「あいはらすこやかサロン(町田市相原)」が月1回(土曜日)、また年二回2つのサロンの合同交流会として芋煮会なども行っています。サロンにはそれぞれ10名位の学生が活動しています。
「こはる」への参加のきっかけは?
3年生の越智さんと2年生の関さん
最初は大学の授業の延長として活動に参加していましたが、今では皆さんに会えることがとても楽しみになっています。サロンに参加すると高齢者の皆さんからいろいろなことを教えていただいたり、和んだり、雰囲気に癒されます。
3年生の岸野さん
もともと、高齢者との関わりを持ちたくて参加しました。サークルのみんなは温かく、雰囲気もいいサークルです。桜のつどいもほんわかしています。
「桜のつどい」ではどんなことをしていますか?
谷ヶ原に住む高齢者を対象に、「こはる」のメンバーは、転倒予防のための軽い体操、談話、歌などのレクリエーションを行っています。また、季節感のあるプログラムを考えながらできるものを検討しています。
サロンで出されるおやつは、小池さんの指導による「こはる」メンバーの手作りです。
事前に小池さんと何を作るかを相談しています。
「こはる」のメンバーにとってサロンの企画・運営だけでなく、小池さんから料理の知識や方法、昔の知恵を学ぶことも楽しみの一つとなっています。
今後の「こはる」への思いは
高齢者の方の楽しみの場所であるサロンの集まりを、もっと増やしていけたらいいなと感じています。
しかし学生の登録スタッフは多いのですが、実際に活動する学生スタッフは固定化しているので、いろいろな学生に参加してもらい担い手を増やしていきたいです。
そのためにも学生同士の縦や横のつながりをもっともてたら…と思っています。また、他の障害児者や児童のサロンを開催しているサークルとの情報交換をしてみたいですね。
学生さんとの関わりをどう感じますか?
学生さんにおやつ作りや昔の知恵などを伝えることは楽しいし、生きがいになっていますよ。
学生さんは「口うるさい」と思うかもしれないけれど(笑い)、教えてあげないといけないと思っています。
昔のしきたりや知恵は役に立つ。若い人には伝えていきたいですね。
「桜のつどい」への思いについて
ここは世代を超えた交流ができる場所なんですよ。参加者はどうしても同じ人になりがちですが、もっと近所の方たちに出てきてもらいたいですね。 来ればみんなとおしゃべりできるし、学生さんと仲良くなりもっと元気になれます。
私は体が続く限り、この「桜のつどい」に参加していきたいと思っています。
学生さんの手作りのチラシから、温かな雰囲気が伝わってきます。「桜のつどい」にうかがったったその日は、小池さんの指導で学生と参加者とで作ったちらし寿司を囲んで楽しく食事をしました。その後は学生が転倒予防体操やゲームを進めるなど会を盛り上げていました。
小池さんは永年、地域の高齢者給食サービスの食事作りを実践してきた経験から、福祉への思い入れは筋金入り。学生との事前打ち合わせも毎月欠かさず出席し、地域の高齢者を支える活動に意欲的に関わる姿には頭が下がります。
学生さん達も小池さんの思いに優しく寄り添う姿が印象的でした。
桜の花びらが舞う暖かな春の陽気のように、いつまでも「桜のつどい」が素敵な笑顔で満開になりますように。