西本 敬(にしもと たかし)さん
中央区並木在住。
大学を卒業後、就職を機に出身地の熊本県より相模原市に転入。
認定・特定非営利活動法人 相模原ボランティア協会の会長を務められている他、さがみはら市民会議、相模原市録音奉仕会、神奈川県視覚障害援助赤十字奉仕団(録音部会)、光が丘地区社会福祉協議会、光が丘地区まちづくり会議など、様々な方面でご活躍されています。
活動を始められたきっかけを教えてください。
大学1年生の時に人形劇をはじめました。当時は学生運動で政治闘争などに一般学生も巻き込まれるような大変な時代でした。私はただ子どもたちに何かをしたい、その思いで仲間を作り、はじめたのが人形劇で、大学生活の4年間という短い期間でしたがとてもとても楽しかったです…。そうして過ごしてきた日々が今の活動へつながっているのだと思います。
社会人になって1年目の昭和44年秋、何となく何かがしたいという思いを抱えていた時に出会ったのが「神奈川県録音赤十字奉仕団(現 神奈川県視覚障害援助赤十字奉仕団 録音部会)」の仲間募集の新聞記事でした。私のボランティアキャリアとしてはこの「録音部会」がいちばん長いんですよ。
活動のお話を聞かせてください。
録音ボランティアですが、昔はカセットテープもなく、オープンリールテープの時代です。利用者さんからは機械の具合をちょっと見てくれないか?といった感じで音声化とは違った依頼もありました。私はもともとできることがあれば何でもやる!というタイプなので楽しかったです。
県の録音赤十字奉仕団に相模原市内から通っている仲間もいて、地元でも「録音」つくりたいね、なんていう気持ちから昭和53年の「相模原市録音奉仕会ひばり」設立に参加しました。そこから市社協ともつながりができ、昭和56年にはボランティア協会の設立へ参加しました。
ボランティア協会は独りでは外出困難な方のためのハンディキャブの運行やボランティア養成講座等さまざまな事業を行っていますが、最近では自宅訪問型の傾聴ボランティアについても力を入れています。
地区では光が丘地区社協や光が丘地区まちづくり会議、光が丘ふれあいセンターの運営等に携わっています。地域活性化事業で採択してもらって3年目になる「光が丘地区人材ネット」では世話役を行っていますが、つながりと共に地域のいろいろな人や団体が元気になっていくことを期待してます。
要望があってから人材ネットから派遣調整をするだけでなく、今度は逆に人材ネットの方から何か仕掛けることができないかなと、意見交換を行い一歩踏み出していきたいといったところです。
活動を通して嬉しかったことや印象に残っていることを教えてください。
長い活動の中でいろいろなことがありました。自分は技術的なことが好きだからそのお手伝いをさせてもらったことがありました。その時はその時でお互いに解決したことを喜びました。後に相手の方のありがとうという気持ちが、あることを通して伝わってきたことがありました。何とも言えず印象に残っています。
また、イベントなどでの出会いもとても嬉しいものですね。新しい出会いももちろんですが、毎年のイベントで若い頃から知っている方と会うことができたりします。やはり嬉しいですね。
傾聴、これがとても楽しいというか嬉しいというか、たった1時間、月に1回の活動ですが、自分が聴いているのに逆に聴いてもらっているような感じがあり、また出かけたくなるんです。
最後に、メッセージをお願いします。
私は新しいことをするのが楽しくて好きです。
自分の活動が長く続いていることや広がっていくことについて、どうしてかとよく聞かれますが、自分の中にやめようっていう回路がないのかな。物理的に無理だったり、求められなくなったりした時はやめるかもしれないけれどもね。今までにボランティアをやめるタイミングっていうのはきっとあったと思います。例えば結婚とか子供が生まれた時とか、仕事の責任が重くなった時とか、やめることを考えても不思議ではない出来事はいろいろあったのだと思います。でも続けてきているということはやはり自分だけが抜けるっていう回路がないのかな。
後継者についてはどこも苦悩していることと思います。今やっていることを若い人たちにそのまま引き継いでいくことはとても難しいことです。新しい時代には新しい人、新しい考えがあって、各世代、それぞれが成長していければ良いのではないかなと思います。ただ社会的に意味のあるものについてはやはり引き継いでいってほしいと願います。
これからの時代、その中でもリーダーになっていくであろう方はこれからやりたいというものを見つけていく意欲、何をどうしたいかという思いを伝えていく力等が大切になってくると思います。
新しいことに取り組み構築していくことが好きでね、周囲に力をかしてもらいながらね。相模原はいろいろなところでいろいろな人がいろいろな面白いことをしているんだよ、と教えてくださいました。穏やかに話されていた姿がとても印象的で、西本さんの経験の豊富さを感じました。