「特定非営利活動法人パラボラジャパン」の皆さん
パラボラジャパンは,パソコンの操作指導等を通して障害者の自立を支援し,高齢者の生きがいづくりを支援する活動をしています。平成16年4月に活動の拠点として「みんなの家」を開設し,平成17年3月からは特定非営利活動法人としてIT支援活動の充実に取り組んでいます。
今回は,パラボラジャパンの理念や想いがたくさん詰まった「みんなの家」で,お話を伺いました。
※写真は左から副代表の清水巌(しみずいわお)さん,理事の古賀守子(こがおさこ)さん,松本浩文(まつもとひろふみ)さん
「みんなの家」はこの看板が目印です! (中央区共和4-12-8) |
ITの支援活動を始めたきっかけは?
(みんなの家の看板の方向を指差しながら「あれがそもそもの始まりなんですよ・・・。」と副代表の清水さんが話してくださいました。)
IT支援事業は障害者の就労支援を目的として始めました。障害者の就労支援という理念を実現する場所とて,7年前に「みんなの家」を開設しました。今思うと活動の創成期ですかね・・・。
「みんなの家」のネーミングには,障害のあるなしに関わらず誰もが集える場であってほしいという想いが込められています。そして,ここを拠点として基盤を整備し障害者の就労支援の充実を目指して身の丈に合った活動の中で最大限のことをしようと「特定非営利活動法人パラボラジャパン」を立ち上げたのです。ここからが活動の成長期でした。
障害者や高齢者に対するIT支援事業の内容について教えてください。
初心者を対象としたパソコン倶楽部を地域で開催しています。その他に個人講習や訪問講習なども行っています。パソコンを教えるだけではなく,パソコン半分,話半分で私たちも一緒に楽しい時間を過ごさせていただくとともに,人と人とのつながりをつくるものだと思っています。
みんなの家の室内の様子です。 アットホームな雰囲気の中にパラボラ ジャパンの歴史と皆さんの活動に対す る熱い想いがいっぱい詰っまています。 |
講習会に参加したい方はどのような手続きが必要ですか?
会員制になっているので,年間1,000円の賛助会費をいただいて賛助会員になっていただきます。
パソコン教室や講習会に参加する場合は,この他に個別の受講料が必要になりますが,私たちはこの受講料を“寄付”と捉えて活動のための大切な財源として活用しています。
※パソコン教室への参加を希望される方は,パラボラジャパンに直接ご連絡(電話:042-755-9010)いただくか,ホームページをご覧下さい。
賛助会員は平成23年3月現在,47名となっております。賛助会員は,相模原市の方だけでなく,藤沢市や町田市,国立市の方などもいらして多くの皆さんに支えられています。
これまでの活動の中で特に印象に残っていることや嬉しかったことは何ですか?
3年前、県社協の「かながわともしびセンター」の声かけで,IT普及推進事業のモデル事業として,当時障害者地域作業所だった相模湖地区のやまのべ館と市社協とパラボラジャパンが協力してやまのべ館で「パソコンひろば相模原inさがみこ」を始めました。
「パソコンひろば」は,障害者へのパソコンに関する情報提供や操作支援を通じて社会参加のきっかけづくりを行うことが目的でした。これを受けて,藤野地区にも「パソコンひろば」と同様の趣旨の活動が広がっていったということが一番印象に残っています。このような活動の広がりを通じて障害者の方との交流も深めることができました。きっとやまのべ館での「パソコンひろば」が無かったら今のような活動の展開になっていなかったと思います。
活動をしていて嬉しかったことは,私たちのパソコン教室を受講した視覚障害者の方が,現在,パソコン教室のサポーターとして活動をして下さっていることです。先日行われたサポーター対象の研修会には,視覚障害者も含め30名を超える方々が集まりました。受講者の中からサポーターが育っていくことは本当に嬉しいことです。
同じように全盲で肢体不自由という重複障害の女性が,パソコン教室を受講したことによってパソコンの技術が向上し,点字の名刺作成までもできるようになりました。今では傾聴ボランティアとして活動することを夢見て頑張っています。このように,ひとり一人が成長していく姿に関わることができるのはボランティアとしてこの上ない喜びです。
最後に,これからのパラボラジャパンの“夢”を聞かせてください。
~「夢」の文字をクリックするとリンクします。(パラボラジャパンのHPの「夢」の文字引用)~
現在,相模湖地区や藤野地区のIT支援活動を通して,市社協とも協力しながらその地域の活動を支援するサポーターの養成講座を開催しています。蒔いた種が無駄にならないように,養成講座終了後もそれぞれの地域で活躍してくださる人材として大切に育てていきたいと思っています。
「みんなの家」から始まった私たちの“夢”をパラボラジャパンとして引継ぎ,現在の活動は成熟期に入っていると考えています。これからも人と人とのつながりを大切にしながら活動の拠点づくりと人材育成に取り組み,地域に根ざした活動を広めていきたいと思っています。
そして,障害者のために重要な情報の発信・受信のためのツールであるパソコンを普及させ,障害者の社会参加・雇用の促進へとつなげていくことが,私たちパラボラジャパンの“夢”です。
県社協のモデル事業としてできた「パソコンひろば」には,パラボラジャパンや当時障害者地域作業所だったやまのべ館にご協力をいただいた「パソコンひろば相模原inさがみこ」と、パラボラそうそう相模原とかわせみの家にご協力をいただいた「パソコンひろば相模原inしろやま」があります。
それぞれの「パソコンひろば」は,今年度から地域に根ざした自主的な活動として引き続き実施されています。
これからも障害者へのIT支援の輪を市内全域に広げるため,ボランティアや地域の皆様と協力して取り組んでいきたいと思います。
・NPO法人パラボラジャパン
(http://parabolajapan.com/index.shtml)
・NPO法人パラボラジャパンの活動内容の紹介ブログ
(http://ameblo.jp/parabolajapan/)
・障害者ITサロン
(http://www.sagamiharashishakyo.or.jp/handicap/ikiiki.html#06)