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高橋 昭巌さん(2011年8月)

高橋さんの写真

高橋 昭巌(たかはし あきよし)さん
昭和4年山形県米沢市生まれ。昭和43年勤務先の藤沢移転に伴い相模原市に転居。
現在、大野南地区「和・みなみボランティアの会」会長、大野南地区社会福祉協議会副会長などを務め、様々な活動をされています。

 

ボランティア活動を始めたきっかけを教えてください

山形の大学卒業後上京し、機械メーカーに就職しました。当時日本は高度成長期真っ只中、休日なしの会社人間で苦労もしましたが、教職の妻と2人の子どもに恵まれ幸せな現役時代でした。
ところが65歳の定年まであと数か月という時、妻が急逝してしまいました。悲しみのあまり妻の元へ行きたいと思いつめたこともありましたが、子どもたちや郷里の兄弟に励まされ、ようやく生きようと思い始めた頃に出会いがあったのです。
林間公園でラジオ体操を通じて知り合った近所の方からお誘いがあり「和・みなみボランティアの会」会員になりました。毎日が日曜日なので、ひとり暮らしの張り合いになると思いボランティア活動を始めましたが、やってみると自分はなんと世間知らずだったことか、多彩な人がいて一生懸命暮らしている世の中の広さを感じました。
広報紙作りなどを担当しながら、活動するうちにボランティアに対する興味がどんどん沸き、自分に与えられた道だと思うようになりました。

いままでの人生経験で高橋さんの生き方に投影されているのはどんなことですか

子ども時代は戦争一色で、兵隊に憧れた時期もありましたが、旧制中学3年時に終戦を迎えました。1年早く生まれていたら特攻隊で命を落としていたかも知れず、人生はいつどうなるか分からないと強く感じました。その後は技術畑を歩く、ばりばりの企業戦士だったのですが、50代には会社の方針で技術だけではなく、営業の修行のため博多に7年間赴任しました。商売抜きで人との接し方を学ぶうちに、人間が丸くなってきたように感じます。その時々、与えられた1度きりの人生を人との絆を大事に生きたい、社会貢献したいと思うようになりました。

これまでの活動で印象的に残っていることや嬉しかったことは何ですか

ある高齢者施設への2~3回目の訪問時、認知症高齢者の女性が「高橋さん!」と抱きついてきて、満面の笑顔を見せてくれました。忘れられない体験で、そんなに待っていて喜んでくれるならと、やめられなくなりました。その場で「ありがとう」と表現していただけたことが何より嬉しく、待たれる人でありたいと思いました。ボランティアは人のためというより、自分の生きがい、喜びです。

高橋さんは今年82歳になられますが、とてもお元気ですね。秘訣は何ですか

中学時代、剣道や農作業で体作りをしたのが今も元気の源になっているのでしょうか。閉じこもらず動くこと、何にでも積極的に参加し、いろいろな人とふれあい、仲間と楽しく活動することが信条です。性格は前向きで飛びつきやすいほうですね(笑)。
必要に迫られ旧南文化センターの男性料理教室には4~5年参加しましたが、仲間とお酒を酌み交わし、旅行に出かけたりと、私は人に恵まれています。近くに住む娘が相談に乗ってくれるのも心強いです。

高橋さんの写真

「和・みなみボランティアの会」について教えてください

今年で発足32年目。会員は60歳代を中心に30~80歳代の29名で活動しています。
「できるときにできることをいま、自分にできることを」が和・みなみのモットーです。ともに活動し、定例会で考えていることやアディアを発言するうち仲間に受け入れられたのか、気づいたら会長になって4年目になりますが、みなさんの支えがあっての活動です。
和・みなみでは活動報告を大事にしています。月1回の定例会で活動を振り返り、会員間で共有し互いの向上につなげます。
各々の喜びや悩み、苦労をざっくばらんに交換し「失敗は成功のもと」と励まし合い、喜びを共有できるのがグループ活動のいいところです。活動内容が充実し、やる気の維持と長続きにつながっていると思います。会員のさりげないけれど高い意識と意欲が、社会貢献につながっていると誇りに思います。

これからボランティアを始めようと思っている方に一言お願いします

特に男性へ。ボランティアには定年がありません。ライフスタイルや状況に応じて生涯活動ができ、仲間も増えます。囲碁や麻雀の相手やバザー、交流会など楽しい活動がいっぱいですよ。いつでも門戸を開いてお待ちしています。

「和・みなみボランティアの会」のホームページはこちら
http://www.geocities.jp/wa0373


インタビューを終えて

高橋さんの大きな体から発せられる穏やかな笑顔とおおらかな声は、相手に安心感と頼もしさを感じさせてくれます。きっと誰もが以前からの知り合いのようにお話したくなってしまうことでしょう。
日ごろ、ボランティアニードについて高橋さんにご相談すると、よく「せっかくのご縁だから」と言われ、いつも誠実に向き合って下さいます。人との絆を大事にされているという今日のお話から、納得です。頼りにしていますので、高橋さん、これからもよろしくお願いしますね。

市内には福祉関係の活動をするボランティアグループが150団体以上あります。「参加してみたいな・・・」と思われる方はぜひ市社協ホームページのトップ画面「ボランティア情報」などをご覧ください。お問合せはボランティアセンターまで。

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