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角田 浩判さん(2011年9月)

角田浩判さんの写真

角田 浩判(かくた ひろゆき)さん
上溝在住。31歳。専門学校を卒業後、念願だったアニメーター職として就職。就職して約1年後に突然体調を崩し、恐怖心から一時は家の外に一歩も出られず引きこもりとなる。その後、ご本人の努力やご家族の支えもあって少しずつ外出機会や活動範囲を広げ、再就職を果たす。現在は相模原市就職支援センター職員として勤務する傍ら、NPO法人ナレッジ・リンクの理事として若者の社会参加や就労支援に向けた取り組みを行っています。

 

角田さんが所属されている「ナレッジ・リンク」の活動をお教えください

もともとは相模原市就職支援センターが、センターに相談に来る若者たちの集う場として開いたコミュニティ「ヒロの会http://www.sagamihara-city.jp/shushoku/html/info_hiro.html」が母体になっています。ヒロの会では、同じ立場にある若者たち同士でのディスカッションやボランティア活動等を通じて、自分自身を再発見したり人間力を高めることを目的に活動をしているのですが、この活動範囲をもっと広げられればとの考えから、平成19年にNPO法人格を取得したのがナレッジ・リンクです。ナレッジ・リンクでは、就職に不安を覚える若者を対象とした様々な講座を実施している他、平成21年度から3か年間は、相模原市が行っている「協働事業提案制度」へ「市民活動PR事業」という事業を申請し、取り組んでいます。

ナレッジ・リンクが取り組まれている「市民活動PR事業」とは、どのよう事業なのですか?

ヒロの会で参加させていただいているボランティア活動団体は、皆社会をよりよくしようとの思いで熱心に活動されている一方で、一般の方にはあまり知られていない実態があると感じています。また中には活動を担っている方々が固定化、高齢化しているようにも見受けられました。
そこで就労支援を受けている若者たちがこのような市民活動を取材し、活動内容や参加している人々の様子を映像化して市民にわかりやすく伝えることで広く知って頂き、併せて取材に参加する若者たちが取材活動を通じて市民活動と接点を作ることができれば、人材の活用につながるのではないかと考えたものです。

様々な市民活動の取材を通じて何か感じられたことはありますか

市内には素晴らしい活動があることを改めて認識しました。また取材活動の中で性別や世代の異なる方々とお話をさせて頂いたことは、私自身にとって、また取材に参加した若者たちにとっても、とてもよい経験となっていると感じています。その成果か、昨年度の取材活動に参加した若者たちは、皆就職や進学等自分の道を見つけることができました。出来上がった映像を各団体さんにお渡しているのですが、皆さんにご好評いただいてもおり、うれしいです。

角田さんの横顔の写真

昨年度は市民生委員児童委員協議会の活動を取材いただきました。

「民生委員」の名称は耳にしたことはありましたが、具体的にどのような活動をされているのかは今回の取材活動で初めて知りました。皆さんご自分の時間を見守り活動や各種の催し物の企画・実施に裂かれている姿をみて、頭の下がる思いでした。昔から馴染みのある地元の行事の裏側で、民生委員さんが支えて頂いていたこにも気づくことができました。

今後の目標を教えてください

仕事以外の時間は、ナレッジ・リンクの活動ばかりをしています。私はひきこもりを経験し、最終的には「社会不安障害」という診断を受けました。数年間の苦しい状況の間、家族をはじめとした周囲の人たちに支えてもらった中で、それまでの人生を一度ゼロにすることとしました。そして「今日は外にでてみよう」、「次は電車で一駅先まで乗ってみよう」、「アルバイトを2時間だけしてみよう…」と一歩一歩できることを増やしてきた経過があります。そして今もその延長線上にいると自覚しています。肩肘はることなく、先ずは一つひとつ自分のできることを積み上げていこうと考えています。その結果として社会のお役に立てれたら幸いです。


インタビューを終えて

「僕は決して“いいひと”なんかではありませんが…」と自嘲気味にお話しされていた角田さん。引きこもりで苦しかった当時のことも隠すことなくお話いただきました。つらいご経験をされてきたからこそ、言葉の一つひとつが深く、また同じ境遇の方に伝わる言葉や目線をお持ちのように感じました。市内には多くの若者が社会との接点を模索しています。角田さんのような方々の活動によって一人でも多くの若者のステップアップにつながればと思いました。

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