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佐藤 あけみさん(2015年7月)

佐藤 あけみ(さとう あけみ)さん
中央区小町通在住。
35年前出身地の東京都より相模原市に転入。
ご主人と娘さんの3人家族。
「ハンドメイドショップバオバブ」スタッフとして15年間障がいのある販売員をサポートしています。
障がい者への理解を広めたいと、地域で様々な活動に取り組んでおられます。

 

バオバブで活動するようになったきっかけを教えてください

3番目の子である長男大樹(享年12歳)が未熟児で誕生し、主人ともども「人が五体満足で生まれることは当たり前のことではない」と命の大切さを知り、「人はただ一生懸命生きることに価値がある」と、それまでの人生観が180度変化しました。
彼が4歳までは、18年間勤務していたNTTの仕事を続けながら親の会「ポトスの会」に入会して仲間と勉強したり、自宅で誕生会を開いたりと、たくさんの方に関わっていただきながら、障がいを隠すことなくオープンな環境で子どもたちを慈しみ育てました。
養護学校に通学していた大樹が卒業間近で亡くなり絶望の淵に打ち沈んでいた時、主治医の先生に「2人の娘さんのことも考えなければならないよ。外に出たほうがいい」と勧められ、少しずつですが外に目を向けられるようになりました。
そのようななか、16年前に市障害者地域作業所等連絡協議会があじさい会館内に「ハンドメイドショップバオバブ」をオープンし、スタッフを募集していたので興味をひかれ応募しました。
途中ブランクもありましたが、バオバブの運営がNPO法人「かむ」に移ったのを機に「かむ」の非常勤職員になり通算15年間関わっています。

※ハンドメイドショップバオバブ(あじさい会館1階)
バオバブでは相模原市内の障がい者施設で作っているさまざまな手作り製品を販売しています。30の障がい者施設の利用者30人ほどが、バオバブ販売員として交代で店番を務めています。
1日2人が各施設から納品された手作り製品の商品管理、接客、レジ打ちなどを村松店長ほか佐藤さん、安達さんのサポートを受けながら担当。その人のペースに合わせてレジ打ちなどを習得し、就労体験、来店者との交流の場としています。
ガラス張りの明るい店内には優しい味のクッキーやマドレーヌのほか、愛らしい小物、実用的なバッグや衣類までもがセンス良くレイアウトされ、ハーブティーの試飲コーナーもあります。

ハンドメイドショップバオバブ

バオバブのお仕事は、どんなところにやりがいを感じますか

販売員がサポートする私たちに本来の顔で何でも話してくれるのが嬉しいですね。特に仕事に関しては最初は難しくとも、時間をかけてゆっくり、ひとつひとつできるようになってゆく成長を見守ることが喜びです。16年も販売員として働いている人もいるんですよ!
お客様のなかには「早くして!」とイライラする人や、障がい者が怖いという人もおられ、まだまだ障がい者に対する偏見や理解不足があり悲しい思いをすることもありますが、私たちが橋渡しのお手伝いをします。構えず自然に接してほしいですね。
手前味噌ですが商品の魅力、接客のなごやかさでしょうか?バスに乗って遠方から来て下さるお客様もいるほどで、「癒されるわね~」と好評をいただいております。
運営側のスタッフも努力していますが、市民の皆様に支えられていると感じます。バオバブに来る日が楽しくて仕方がありません。

地域ではどのような活動をされていますか

6年程前より地域の「ボランティア横山」に入会しました。公民館で地域の高齢者80人余りが参加するおしゃべり会を他のメンバーと共に企画運営したり、通学支援も行っていますが、できる範囲で楽しく参加しています。
また、一昨年より地区の民生委員を務めていますがまだわからないことも多く、先輩に教えて頂きながら担当区の方々を支援していきたいと思います。
様々な考え、姿、境遇、立場の人々が力を少しずつ出し合えば、助け合いながら楽しく暮らせる地域がきっとできますよね。
元々じっとしていられないたちなので、自治会の役員、公民館の文化部などを通じて人脈がつながり、いろいろなところから声が掛かったりします。障がいのある人について理解して頂けるよう広く働きかけ、関わり続けることがわたしにとってライフワークです。 

お忙しいですね。ご自分の時間はありますか

コーラスが好きで、歌っています。結成25年になる「アンサンブルまゆ」で毎週火曜日に、「コール・くわのみ」というグループでも金曜日に練習しています。
あじさい会館主催で子育て世代支援の「ぽっかぽかコンサート」に出演したこともあります。「そんなにたくさんのことをしていて、大変でしょう」と言われますが、苦労と思ったことはありません。
バオバブも、地域での活動やコーラスも全部私の生きる原動力ですね。楽しいから続いているのだと思います。

あじさい会館主催のコンサートで合唱を披露

インタビューを終えて

佐藤さんは初対面でも前からの知り合いのような気がする方で、販売員のみなさんが何でも話したくなるのがよく分かります。
スケジュール管理が大変なのでは?の問いに「忘れちゃうこともあるのよ」とお茶目な表情で笑っておられました。
春の光のようにおおらかで自然体の佐藤さんや一生懸命な販売員さんが、和やかな笑顔で出迎えてくれる「ハンドメイドショップバオバブ」に、ぜひお越しください。

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