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戸部 陽一郎(とべ よういちろう)さん(2018年3月)

萬壽 淑子(まんじゅ としこ)さん

戸部 陽一郎(とべ よういちろう)さん(南区相模台在住)

 幼少期から相模台で育ち、現在に至る。

 定年退職後「地域の先輩たち」の姿を見て、地元への恩返しをと自治会活動を始め、現在、自治会法人 双葉自治会会長5年目。「誰もが参加しやすい自治会活動」を目指し、様々な取組を進めています。

 特に市社会福祉協議会との接点では、売上手数料の半分が自治会の活動財源となる「地域貢献型自動販売機」を市内の単位自治会の中で一早く設置されています。

 

 

 

 

 

地域活動へのきっかけは何ですか

 私は、今の地域に70年以上暮らしてきました。でもよくある話ですが、私も、現役時代は、地域活動は妻に任せきりでした。ただ、無償で活動する先輩方の姿に敬意を感じながら、何か心の隅にモヤモヤと引っ掛かる、スッキリしない気持ちが常々ありました。

 定年を迎え、これから先私も、この地で「気持ちよく」暮らしていくために何かできることをしたいと考え、自治会活動に取り組むことから始めたのがきっかけです。

地域貢献型自動販売機の取組について教えてください

地域貢献型自動販売機を前にする戸部さん

 相模原市社会福祉協議会(以下「市社協」)と私たちの自治会との接点の一つに、「地域貢献型自動販売機」(以下「自販機」)の設置があります。私は新しいことはまずやってみたい方なので、自治会にメリットがあると考えて導入してみました。

 地域貢献型の自販機は、市社協が設置してくれる自販機です。その仕組みは、設置から商品の補充、料金の回収、電気代の支払まで、すべて業者と市社協が行ってくれるので、手間がかかりません。(笑)

 立地が良かったのだと思います。自治会館の脇に設置していますが、周辺には商店が無いため、近所の方が便利によく使ってくれます。また、夜間は、自販機に照明が灯くので、防犯上も明るくて良いとの意見もあり、今まで一切クレームが無いのはありがたいですね。

 それから、電光掲示板が付いていて情報提供ができたり、大規模災害時には、無料で飲料が出てくるようになるなどのメリットもあります。気になるこの自販機の収益ですが、売上手数料の半分が双葉自治会の活動費に、半分が市社協の地域福祉活動の財源として還元されています。思っていた以上の売上げがあり、自治会の収益としてとても助かっています。

いきいき百歳体操の取組について教えてください

双葉自治会のいきいき百歳体操の様子

手脚に重りを付ける運動もあります!

 私たちの単位自治会内でも後期高齢者が200人を超えています。地域の高齢者同士の仲間づくりの場を提供するため、地域のボランティアが「いきいきサロン双葉」を毎月1回、自治会館で開催しています。自治会では、かねてから、この活動を助成していましたが、3年前からは近隣の第一住宅自治会館で開催されている「いきいきサロン桜台」に対しても助成を始めました。

 高齢者がこの地域で安心して暮らしていくためには、仲間作りもそうですが、できるだけ健康でありたいという願いがあります。そこで、自治会としてもこれに応えていこうと考え、平成29年9月から市が勧めている「いきいき百歳体操」の活動を自治会主催により毎週一回開催することにしました。予約なしの参加自由で、参加費は無料です。

 毎回25名ほどの方が参加され、指導ビデオに従って体を動かしています。ゆるやかな運動ではありますが、結構疲れますよ。(笑)

 最初から続けて参加されている方からは、「これまで慢性的な腰痛に悩まされていたけれど、百歳体操を続けることで腰痛が治まるようになりました。」「歩行困難でしたが、スムーズに歩けるようになり、外出がおっくうでなくなりました。」といった、嬉しい感想をいただいています。

 体力測定を行う市の担当者の評価でも、全般的に約10%の体力向上があったとの報告を受けています。やりがいを感じますね。

災害時の要援護者支援の取組みについて教えてください

 双葉自治会では、高齢者や障がい者にやさしい地域づくりを関係者の理解を得ながら進めています。数年前に自治会区域内にバス停が移設された際に、高齢者の方から屋根とベンチが欲しいとの要望が出ました。市と事業者に加え近隣の自治会にも協力をいただき、昨年の正月に完成しました。また、地域には、いまだ数か所の未舗装の私道が残されています。高齢者の方がシルバーカーでも安心して移動できるよう、砂利道の簡易舗装化に向けて地権者や関係者と調整を進めています。

 自主防災も自治会の大きなテーマのひとつです。高齢者や障がい者、児童など、いわゆる「災害時要援護者」に対しては、普段から防災情報の提供が必要と考えています。また、実際の災害時に迅速に避難ができるよう、さらに、避難所で過ごす場合に必要な配慮をあらかじめ把握するために、対象となる方の名簿を作成しました。個人情報を扱うことになるので、自治会でも十分に検討し、名簿作成に必要な書類を任意で提出いただく際には、必要事項を記入後に書類を折り曲げて端面をのり付けしていただくなどの工夫をしたところ、提出してくれる方が大幅に増えました。また、この名簿は、いつ何時に起こるかわからない災害に対処するためのものですので、自治会本部役員9名と地区担当の4名の民生委員・児童委員の共有としています。

次の世代の人たちへの期待を一言お願いします

 これまで、自治会の本部役員9名のほとんどが60歳代後半から70歳代後半でしたが、今年度、30歳代2名、40歳代1名が加わりました。組長さんの3割位も、若い方々です。現役世代の方が「自治会の役員など二度とやりたくない」とならないように、私を含め年配役員の若手への気配りが大切だと思っています。自治会の存在意義の一つに、地域の子どもたちの「ふるさとづくり」があるのではないでしょうか。若いお父さんやお母さんにも積極的に自治会活動に参加していただき、子どもたちの地域での思い出づくりに協力していただければ幸いです。

 また、自治会をはじめ地域の住民組織の役員の立場にいる方たちは、もっと若い方々が参加しやすい環境を整えていくことが大事だと考えます。例えば、活動に必要な文書や情報は、自治会のパソコンで管理して役員が自宅のパソコンでも閲覧できるようにしたり、会議も週末の夜間に開催するなどの工夫が必要です。ただ、役員の過半数は、年配者なので、紙ベースの情報交換も欠かせません。そして何よりも、権威主義にならない「明るい組織運営」を心がけることが、次の世代の方々の地域活動への参加につながるものと考えています。

 

 

 

 


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