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一般社団法人安藤企画 安藤智文さん(2018年8月)

安藤智文さん

一般社団法人安藤企画 安藤智文(あんどうともふみ)さん


「終活」とは、自分の死を意識して、最後を迎えるに当たっての準備やそれまでの人生を振り返り、その証を総括することです。

平成28年の夏!安藤智文さんは、人それぞれにとって大切な、「終活」のお手伝いを行うために、「安藤企画」を立ち上げました。

「終活で豊かなセカンドライフを」テーマに、身の回りの整理・住まいの終活・相続トラブルなど、日々、高齢者を対象とした総合的な相談・助言・援助活動を行っています。

 

どうして、「終活」のお手伝いをしようと思ったのですか。

最初は、携帯電話の中にある希少金属やパチンコ台の液晶のリサイクル・海外輸出事業に取り組んでいたのですが、その後、生活雑貨品などのリユース事業にシフトしていく中で、まだ、使えるものを活かしていきたいという環境対策に対する思いがあり、それを事業にどう活かせるかを模索していました。                             

今、世界では、リサイクル、リユースを含めて、一般に家庭でできる環境対策として、5R=「リデュース」「リユース」「リペア」「リサイクル」「リフューズ」 があると言われていますが、自分は、5Rに関するコンサルタントになることを目指していました。

それを見極めるために、「リペア(修理)」、「リフューズ(不要なものを断る)」を学び、産廃事業に関わるなどして、自分の中に、「リデュース(削減)」ができていないことに気づいたのです。そして、5Rすべてを学んで、たどり着いたのが、「終活」のお手伝いなのです。

「終活」に取り組むきっかけを教えてください。

自分が、産業廃棄物の事業に関わる中で、高齢者が亡くなった後の家財の処分の依頼などがあったときに、ゴミの処分費用が高額なことに気づいたのです、その中で、家財の中に、まだまだリユース、リサイクルできるものがあり、自分ならそれを売って、処分の費用を節約することができます。結果、ゴミの量と処分費用を「リデュース(削減)」できるのではないかと考えたのがきっかけです。

そして、高齢者が亡くなった後の家財の処分に関わる中で、相続のことや不動産処分のトラブルなど、様々な問題に接することもありました。それらに対応するために、亡くなる前に、家財の処分等、生前整理のための「終活」として、自分の思いの整理、身の回りの整理、住まいの終活や相続トラブルの対策など、人生の後半をその人らしく、より充実した人生を送れるようにお手伝い(コンサルティング)できないかと、設立したのが「一般社団法人 安藤企画」なのです。

株式会社や有限会社ではなく、一般社団法人として立ち上げたのは、ビジネスとして利益のために、終活コンサルタントを行うのではなくて、高齢者の立場にたち、生活に寄り添い、終活でお困りの方のよき相談相手となり、人と企業とのつながりを支援し、各専門業者との連携したサポートで、相談された方がより良い解決策を導けるようにお手伝いしていきたいからです。この活動に「責任を持って取り組む」ために法人の名称に自分の苗字を使い安藤企画としました。

あじさい会館主催の福祉講座で「終活」について語る安藤智文さん(H30.2)   あじさい会館主催の福祉講座で「終活」について語る安藤智文さん(H30.2)

あじさい会館主催の福祉講座で「終活」について語る安藤智文さん(平成30年2月)

すばらしい活動ですね。利益を求めないで運営して大丈夫なのですか。

心配は、いりません。大きな利益は求めていません。団体が存続できるだけの運営費が確保できたら良いと思っています。この活動を終活コンサルタントとして高齢者のために永く続けていきたいのです。自分は、別事業として行っている、不要家財の処分事業やリサイクル・リユース事業で利益を出しているので、大丈夫です。

実際に取り組んだ安藤企画の活動と今後の目標を教えてください。

身寄りがなくひとりで一軒家に暮らしている方がいらっしゃったのですが、認知症が進んでしまいおひとり暮らしを続けることができなくなったと専門職後見人から相談を受けました。その方が施設に入所する際に家財道具の整理・処分から本人の引っ越しまでをお手伝いした事例があります。


多くの人が施設に入る場合、生活に必要な最低限の荷物だけを持ち込むことが多いと思います。そのために、持ち込む家財の選別やリサイクル・リユースできるものの買い取り、引っ越しまでを一貫してお手伝いすることで、別々に行った場合より費用を安くして、ご本人の負担を軽減することができました。その手続きも、後見人、施設のケアマネージャー、ご本人と良く話し合い、細かく説明をして皆さんに納得していただきながら入所のお手伝いができました。なによりご本人に喜んでいただけたことが嬉しかったです。


ひとり暮らしや高齢者だけの世帯の方が、配偶者やご自分の入院や死亡、それに係るお墓や相続のこと、引っ越しや入所をしなければならないことなど、様々なご事情があるときに、すべてをご自分たちだけ行うことは、難しいことが予想できます。安藤企画では、そうなる前にどのような準備をしておけば良いのか、いざそうなったら、豊富な知識とノウハウ、そして専門家とのネットワークを活かしたトータル的なお手伝い(コンサルティング)をできたらと考え、実行しています。
「終活」のお手伝いを行うことで、ご高齢の方に豊かでしあわせなセカンドライフを送っていただくことが、「安藤企画」の目的であり、目標なのです。
 


インタビューを終えて

お話を伺うと、安藤さんの活動は、今までたどってきたリサイクルやリユース事業への取組、そのノウハウを活かした実績を積み重ねた結果によるものであることが理解できました。

また、やさしい言葉や眼差しからも安藤さん自身が思いやりの気持ちをもって活動していることが伝わってきました。

「終活」のお手伝いは、ひとりだけではできません。安藤さんの素敵な人柄が、多くの企業、専門家とつながり、そして利用者ご本人に信頼されてネットワークを保ちながら、その活動が展開されているのだと思いました。

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